雨の降った日。
何も変わらず、また、幸せを噛み締めることが出来ると思っていた。
あなたに会うことに胸を弾ませながら、
あなたの帰りを待っていたの。
あなたが、居なくなった。
一本の電話が入った。
それは、中学の時同級生だった丸井くん。
” 仁王が車にはねられた ”
全部、壊れた気がした。
病院には、あの懐かしいメンバーと、雅治のお母さん達。
病室の外で、みんな涙を流して。
ねぇ、どうして泣いてるの・・・?
「さんっ・・・・」
「お義母さん・・・・・・?」
「ま・・・まさ・・はるが・・・」
雅治・・・?雅治・・・・・・・
私は病室に入った。
自分の目を信じない。
ううん、
信じたくない。
「嘘・・・・・・・・・・嘘!・・・・・・・・雅治・・・・?」
雅治は、白いベッドの上で、
頭に包帯を巻かれ、静かに寝ていた。
ねぇ、
嘘でしょう?
どうせ『また騙されよったのぉ』とかなんとか言って、あなたは私の事をからかうんでしょう?
また、意地悪そうな顔をするんでしょう?
どうして置いて逝くの?
「雅治っ!・・まさ・・・・・ぅっ・・・・・・・」
なんで?
どうして?
「なんでよっ!・・・・・なっなんで・・・・・」
「・・・・・・・・車に轢かれそうになった子供を・・・助けようとしたんだそうです・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
柳生君が静かに言ったこと。
私はしゃくり上げながら話を聞くしかできない。
私はその日、ずっとずっと雅治の傍から離れなかった。
「雅治?」
呼んでも返事がない。
「ねぇ、雅治・・・」
来月結婚しようって言ってたじゃない。
「雅治・・・・なんで嘘つくの・・・・・?」
はじめの子供は女の子で、とびっきり可愛い子。
二人目は男の子でとびっきり強い子。
それぞれ働けなくなったら、田舎でのんびり二人で暮らして
二人でずっと暮らしていこうって
約束したじゃない。
ねぇ、私をからかうの、もうやめない?
ほら、そろそろ起きないと会社に遅刻するんだから。
ねぇ、
起きてよ
帰ってきてよ
目をあけて
お願い
お願いだから
私を置いて逝かないでよ
わたしはここ
二人で暮らそうっていったじゃない。
私はここなのに、あなたは今どこにいるの?
いっぱいいっぱい抱きしめあって、
いっぱいキスして
もっとあなたといたいのに
あなたが居なくなったら、私はどうしたらいいの?
『すまん』
・・・・・・・・・バカ・・・・・・・
『寂しい思いさせてすまんの・・・・・・・・』
分かってるなら、帰ってきてよ。
『』
『ずっと、愛しとるから』
私の心に雨が降っていたように
外の世界にも雨が降り続いていた。
END
070530 ナミダ
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悲しいもの書こうとしたんですが、及びませんでした;
どちらかというと、ヒロインの心の声っぽくなってしまったような・・・
というか、仁王くんを事故らせてしまってすみません;;
またもう一回挑戦します!(せんでええ。)