ケータイを開けばメール、メール、メール。
同じ学校の友達
幼なじみ
先輩
今日は私の誕生日。
0時ぴったりに大量の” おめでとうメール ” が沢山届いた。
嬉しいけれど・・・まだ彼からのメールが来ていない。
プ レ ゼ ン ト
「・・・・・・・よし、これでオッケー」」
私の誕生日。
時計が指す時間は0時30分。
私は沢山の友達のメールに返信していた。
『おめでとう!』
『誕生日おめでとう!』
メールの内容はみんなこんな感じ。
でもこんなに自分の誕生日を祝ってくれる友達がいて嬉しいものだと思う。
といっても当の本人の私は一つ大きくなったなんて自覚はないけれど。
私はみんなにメールを返信し終わって、ベッドに横たわった。
そして手に持っていたケータイのディスプレイを見つめる。
ボタンを操作してみてセンターに問い合わせしてみた。
” 新着メール0件 ”
「・・・・・・・雅治寝ちゃったのかな・・」
一人シンとする部屋で呟いた。
友達のメールも嬉しい。
家族に誕生日を祝ってもらうのも楽しい。
でもやっぱり
こんな日には一番に大好きな彼氏に誕生日を祝ってもらいたいような気がする。
・・・なんか、寂しいな・・・
(・・・っていうのはただの我が侭だよね・・)
雅治からのメールはなし。
電話の着信もなし。
私はため息を吐いて、ケータイを閉じた。
パタン、という音だけが部屋の中で響く。
「・・・・・・・・」
布団の中にもぞもぞと入って、部屋の電気を消した。
*
♪〜〜〜〜〜
「え・・?・・・・・・」
私は閉じかけた目蓋を開ける。
ケータイの着信音が部屋の中に響いていた。
慌てて私は身体を起こしてケータイを手に取る。
部屋の電気は消えたままで、あるのはケータイのぼんやりとした明かりのみ。
着信、
電話の相手は雅治だった。
「・・もし・・もし」
『誕生日おめでとうさん』
「ま・・さ・・はる・・?」
『なんで疑問系なんじゃ?』
「だって・・・びっくりしたんだもん・・!」
もうメールも電話も来ないと思ってたのに・・・
さっきまでの寂しさが嘘みたいに消えて行った。
「雅治・・絶対に寝たと思った・・!」
『すまんすまん。』
「ううん、いいの。電話くれてありがとう!」
『どういたしまして』
「えへへ。」
私は暗い部屋で電話越しに雅治の声を聴いた。
なんか変な感じ。
『のう、。』
「何?」
『もっとびっくりするモン、見しちゃる。』
「え・・・?」
私は雅治の言葉の意味が分からず、問い返した。
もっと、びっくりするもの・・・?
『外、』
「外?」
『窓から、外見て。』
「え・・・う、うん・・・」
耳にケータイを当てたままベッドを出て、窓際に行く。
部屋が暗いせいか、外の街頭の明かりが眩しい。
私は、窓をあけて
ふっと下を見た。
雅治の言った通り、ビックリしてしまった。
だって、
私の視線の先には今電話をしている雅治がいたんだから。
いつものあの笑顔で、こっちを見ていた。
驚きと混乱が私の中で主張する。
「まっ・・・雅治!?」
「仁王雅治、参上ナリ。」
雅治はそう言って可愛らしくブイサインをして見せた。
彼にはそんな仕草も似合ってしまう。
「なっ・・なんで・・!?」
電話で話している相手が、目の前にいる。
お互いの顔を見ながら電話してる。
もう、・・・ほんっとおかしい。
笑い堪えるの必死だよ。
「ちょいと瞬間移動じゃ。」
「うっ・・嘘つき・・!」
「本当やのにのう・・・・おお、そうだ。」
「?」
もう、電話で話をしていると言うか普通に会話しているに近かった。
私は窓から外に立っている雅治を見ているし
雅治もまた、私を見上げていた。
「誕生日プレゼント、考えて見たんじゃよ。」
「うん・・・・」
「奥さんやったら・・駄目か?」
「え・・・・?」
「だから。俺の嫁さんになる事。それがプレゼントじゃったら・・・駄目か?」
「そっ・・・・・・・」
こすってもこすっても流れてくる涙。
いっつも雅治は人を脅かすのが上手い、
上手いよ、ホント。
上手すぎて
いつも驚かされてばかりな私。
「受け取ってくれるか?」
15歳の誕生日。
私は雅治からのプレゼントを受け取った。
「うん・・・・お嫁さんに・・なるよっ・・・」
時計の針は、0時49分。
END
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どうもー久しぶりの短編です
あるオフ友ちゃんに捧げまする。
あーもーなんだか文才無さ過ぎて究極に困ってます。
精進ですね・・・ふは〜
070913 ナミダ