「ねぇ恭弥!」
「何」
「今何か欲しいものってある?」
「何の話?」
「んー・・・とにかく!何でもいいから欲しいもの!」
明後日の5月5日は恭弥の誕生日だっていうのに・・・まだ渡すプレゼントが決まってない私。
何をプレゼントすればいいか分からなくてついに恭弥本人に希望を聞いてしまったという訳だ。
それも唐突に。恭弥が不思議・・・うん、不審がるのも無理はない。
「・・・・」
「・・・そんなの聞いてどうするの」
「えっ・・いやぁ・・・まぁ・・・恭弥って何か欲しいとか思うのかなーって」
「へぇ」
恭弥は何か勘付いたように目を細めて私を見てちょこっと笑った。(ああもうきっとバレちゃった)
そうして恭弥は手元の書類に目を移す。
「・・・で、何かない!?」
「ん。・・・まぁ欲しいものは色々とあるよ」
「ホント!?」
私は恭弥に詰め寄って彼の顔をじーっと見た。
「最近何か新しいお茶が飲みたくなってきたから」
「なるほど・・・」
(・・お茶かぁ・・・って中国にいろいろとあるかなぁ・・・ん?待て、海外旅行はきついなぁ・・)
「他には?」
「・・・最近肩が凝ってきたかもね」
(なるほど・・肩こりに効くものかぁ・・・あ、漢方?マッサージ機?うーん渋い)
「他には?」
「・・・とにかく時間が欲しいかもね。最近無駄に慌ただしいんだ」
(なるほど・・・・・ん?時間ってどうやってプレゼントすればいいの?
私が風紀の仕事手伝えば時間が出来るかなぁ・・・)
「他には!?」
「・・・君さ」
「?」
「そんなに僕に言わせたいの?」
「・・・何が?」
ふいっと顔をそらして恭弥は言った。
言わせたいって・・・何?
「言わせたいって・・・何が?」
「は鈍感だね」
「へ?」
「僕が欲しいものは君」
「・・・え・・・?」
「僕は他のものはいらない、が欲しいよ」
*
「・・・っていう夢を見たの!」
「何それ捏造?それとも君の馬鹿な願望?」
「んまっ!失礼な!」
「僕がそんなこと言うわけないよ」
「ま、それもそうだけど・・・」
私はケーキを一つ口に含みながら恭弥に答える。
恭弥はむすっとして紅茶を一口。(おー照れてる照れてる)
今日の日付は5月5日、つまり恭弥の誕生日。こどもの日に生まれたっていうギャップが・・・
応接室で恭弥と過ごしていた時に私は今日見た夢の内容を話したのだ。
「君が欲しい」なんてさらりと言っちゃう夢の中の恭弥、すっごくかっこよかったなぁ・・・なんてね
「でも一回そう言うの言われてみたいじゃない?・・・ベタだけど」
「・・そんなの言う人間いるの?」
「いるんじゃない・・?・・・あ、ナッポー君とか」
「(ピキッ)」
え?あれ?今もしかして恭弥キレました?
ナッポー君のこと嫌いだもんねいや失礼失礼。
「あの変態は論外だよ、っていうか何?君はあの変態にそう言うこと言われたの?」
「え!?何でそうなるの!?ナッポー君に『僕はが欲しいですクフフ』なんて言われたら我慢できないよ!」
「・・・それもそうだね」
「(納得したー!・・・こうなるとナッポー君もいろんな意味で可哀想だ)」
私はフォークでついたケーキをもう一口口に入れる。
うーん、やっぱりこのお店のケーキは美味しいなぁ・・・あー恭弥ケーキに手つけてないじゃない
代わりに私が食べていいかな・・なんて食い意地の張った事は言いません
今日の主役は恭弥、恭弥の誕生日祝うためにこのケーキたべてるんだから。
「・・でも僕は君が欲しいかな」
「へ?恭弥何か言った?」
「聞こえなかったの」
「だから、何が?」
「もうちょっと聴力良くして来て」
「はい!?なっ何の話!?」
恭弥はツンがかなり強めのツンデレさんです、たぶん。
あの時恭弥が言ったことは何だったのか、今でも不明なんです。
「・・・・・」
実はナッポー君に「が欲しい」って言われた事あったりしないでもないような・・・
でもそれ聞いたら恭弥は完全にキレてしまうと思ったので嘘つきました、すみません!
お誕生日おめでとう、恭弥!
来年もちゃんとおめでとうがいえますように!
05,May
おわり
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短けぇ!何だコレ・・・・!
誕生日夢!?何だこりゃ・・・!
くだらないお話失礼しましたOTL
ってか骸ごめん!
とにかくお誕生日めでとう、委員長!
080504 noro