私はその銀髪の男と同じ様に、目を瞑ってみた。
ガタンガタンと、電車が揺れる。
時間が経つに連れて電車は学校に近づいていく。
不思議な時間は今だけ。
学校に着けば、この不思議な時間は終わるんだ。
そう思ったら、少し寂しかったような。
・・・・・・・・・・。
・・・・・え・・・?
私の右手の上に彼の大きな手が重なった。
私は驚いてその男の方を見た。
ソイツは已然として目を瞑り、寝ている。
「何なのよ・・・・・・全く。」
私はもう一度目を瞑った。
私の手の甲に被さる様にある、その男の手。
すごくあったかい。
どことなく安心した。
「・・・・・・・・・・・・」
→ 私は手を握り返した。
→ 握り返さない。そのままでいよう。