緑の魔女が黒の魔女の呪いに対抗してかけた魔法。





         ”姫は死ぬのではなく、運命の王子にキスされるその時まで目覚めなくなる”















         姫の永遠の眠りと

         その魔法の知らせを聞き、なんとまぁ8人もの王子が姫の眠りを解こうと

         集まったのでした。


         王子たちは前テニス王国国王、つまり姫の父親のもとへかけつけます。


        




         8人の王子



         サナーダ王国からは真田王子

         ユキー王国からは幸村王子

         ヤナーギ王国からは柳王子

         ピヨ王国からは仁王王子

         アデュー王国からは柳生王子

         ブンブン王国からはブン太

         ジャカジャカ王国からはジャッカル王子

         キリハーラ王国からは切原王子




         とまぁ、変な王国名ですがそこは気にしないのがこの世界。

         8人の王子はテニス王国国王、姫の父親の前で跪きました。





         「おお・・・・8人の王子よ・・・・良く集まってくれた・・・・」


         姫が眠りに陥るようになってから、姫の父親は病床に臥せっていました。


         「・・・・・・・・・ゴホっ・・・・・・・・・・勇気ある8人の王子よ・・・・・・・・
          噂には聞いていると思うのだが、我が愛娘を目覚めさせて欲しい・・・・・・」


         時折来る病からの咳をこらえ、途切れ途切れに国王は言います。



         「が目覚めなければもうテニス王国は無くなってしまったも同然じゃ・・・・・・・・・」


         「国王!」




         8人のうちの王子の一人、真田王子は言います。


         「安心してください、必ずや姫はこの真田が目覚めさせます!」

         キリリとした口調で真田王子。
         それに続いて赤髪のブン太王子。

         「ちょっと待てーー!姫の運命の相手は俺だろぃ!国王!姫は俺が連れ戻すんで!シクヨ・・・・」

         「ブン太王子・・・・・国王の前で無礼ではありませんか・・・・・・」


         常に曇りに曇っている眼鏡をかけた柳生王子が口を出した。

         「な!うるさいぞぃ!ってか柳生王子って『紳士』だろ!?『王子』じゃねーだろ!!」

         「む・・・・そんなことはどうだっていいのですよ。国王、姫は私が必ずお連れ戻しいたします。」

         「ってか全員なんで名前漢字なんだよ。普通王子って言っ・・・・」

         「はいはい、ハゲは五月蝿いのぉ。」

         「おい!オレはハゲじゃ・・・」

         「国王さんよ、姫は俺が連れ戻したるきに・・・・安心しんしゃいな。」

        

         ってかこいつら本当に王子なのかよ・・・・・BYジャッカル王子


         
         なんやかんやと騒いでいるところに今まで黙っていた柳王子が口を出す。

         「このなかに『運命の王子がいる』確立・・・・99.4%・・・・・・」

         なんて、ぶつぶつ言い出した。

        

         その独り言にも近い柳王子の言葉に反応する切原王子。


         「ん?・・・・・99.4%って・・・・あとの0.6%はどこいったんスか?」



         「ああ、それはこれからのデータで決まる。」


         ああ・・・そうですか・・・データマンさんよ。


         「とにかくみんな落ち着いて。国王の前だよ?」


         「あ・・・ああそうだな。」





         ふふふと不適な笑みを浮かべて幸村王子が言い、8人の王子は静まり返った。








         「(この王子ら・・・信じていいのか・・・・?)」

         国王の不安はMAXです。



         「うむ・・・・・・・・姫は15年前の祝いの席で黒の魔女に呪いをかけられた。
          それは皆承知の上であるな?」

         「はい。
          そしてその呪いにかわって緑の魔女がかけた魔法どおり、今回姫は眠りに陥ってしまったのですね?」

         「その通りだ・・・幸村王子・・・・・・・・・・・・
          緑の魔女の魔法は”姫は死ぬのではなく、運命の王子にキスされるその時まで目覚めなくなる”だった・・・」



         「・・・・・・」


         「つまりは、を目覚ませたものが真の運命の王子。
          その王子を婚約者とし、後のテニス王国の後継者としたいのじゃ・・・・・」


         「国王・・・・・・」



         「・・・・・わしももう長くはない・・・・・・だから一刻も早く・・」


         「ということです、丸井王子、わかりましたか?」

         「うっるせー!・・・・とにかく姫を目覚めさせればいいんだろ?」

         そう言ってブン太王子はガムを噛み始めた。


 
         「だから一刻も早・・・」


         「さ〜!そうと決まったら出発じゃ、出発!!!」

         
         「そうっスね〜!!!どんな可愛い姫なのかはやく会いたいっスよ〜!!」


         「だから一刻も早・・・」

  
         「赤也王子!そんなふしだらな事しか考えてないのかお前は!!!!たるんどる!」


         「ゲ!真田王子聞いてたんスか!?今の・・・」


         「全く・・・・赤也は馬鹿じゃのう・・・・・」








         ククク・・・・・と詐欺師王子仁王が笑う。







         「・・・・・・(ホントにこいつらで大丈夫なのか・・・・・・・)」






         国王の不安度、かなりMAX。

        


         「言うのを忘れておった・・・・」


         「・・・・・なんですか?国王・・・?」



         王子が騒ぐ中で、国王は必死に声を張り上げる。
         王子達の騒ぎは止む。


         「姫が眠る城には棘が足元を覆っている。
          それに『眠りの森』には危険な場所や怪物も出ると聞く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
          気をつけて欲しい・・・・・・・・」













         国王のその言葉を聞いたあと、8人の王子は『眠りの森』へと向かった。
































         「・・・・・・・・む、幸村王子・・・・どうかしたのか?」




         国王の住む家から出ようとした矢先、急に立ち止まった幸村王子。
         それを気にかける真田王子。


         二人の様子に気付いた全員が立ち止まった。





          

         「僕は・・・・・もう行けない・・・・・・・・・・」

   
         「!?!?」



         かなりリタイア早っっ!!!!



         「なっ!・・・急にどうしたんだ、幸村!!」


         幸村に駆け寄る王子達。


         「自分でもなさけないな・・・・・・また病院へ戻らなければいけないんだ・・・・・」

         「!?マジかよ!?」


         ジャッカル王子が声を上げる。


         「幸村・・・・」

         「悪いねみんな・・・・・いつもいつも・・・・・・苦労かける・・・・」


         「なーに言ってんスか!姫は俺らに任せてくださいよ!」

 
         「そうだ幸村王子。心配するな。」


         「俺たち、王子仲間・・・・じゃろ?」


         「支えあうのが王子のいいところですよ。」


         「・・・・・・悪いね・・・・・・・」





         幸村王子は笑みをこぼした。

         そしてそこで言葉を発したのが柳王子。



         「それでは、俺も幸村王子とともに残る。」


         「柳!?」


         「病院まで遠いだろう?幸村に付き添わなくてはな。」


         「・・・・柳・・・・・・」



         「そういうことだ、真田王子。みんな、後は任せた。」


         「ウッス!!」


         「了解ナリ」


         「わかりました。」

















         ということで、事情があり8人の王子から2人抜けて、王子は6人になりました。

















         幸村王子と柳王子を見送る際、柳王子は言いました。




















         『俺たち2人が抜けた事により、6人のなかに運命の王子がいる確立は・・・・・99.7%だ』



         と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・













































         「そんじゃぁ行くかー!」


         「ああ。」


         「待ってろよ〜!姫〜!」

         
         「俺が起こしに行っちゃるけん。」


         「いえ、その役目は私です。」


         「オレだと思うけどな。」


         「ハゲは黙っときんしゃい。」


         「だっ!誰が」


         「アハハ~!マジ最高!」


         「おい!余計な話はするな!・・・・・・・・・・・・・・・では、これから『眠りの森』へと向かうぞ!」


         





         「「「「「了解!!!!!!っス ナリ です」」」」」




























         こうして、6人の王子は武器であるテニスラケットと、テニスボールを手に、



         姫の眠る森を目指すのでありました。





















         ≪Back      Next≫