私は鼻歌を続行することにした。








         「フフー♪」



         「なんじゃ・・・下手やの。」



         「いっ!!あなた!関係も何もないのにいきなりそんな事言わないでくれる!?」


         
         「ええじゃろ。」


       
         「よくない!!・・・・これでも私、カラオケで90点は絶対とるんだから!!」



         「俺は95点は取るぜよ。」





         







         ・・・・・・・なんなの!?



         なんなのこの人は!?!?!?!?!?





         思いっきりナンパじゃないのか!?これ!!










         「まぁ、遠慮なく座るナリ。」


         「・・・・・・・・・・」





         気付いたらその男は私の右隣に腰を下ろしていた。









         何!?


         私一体何やってんの!?ってか、


         この男は誰!?!?!?




         男の顔を見上げてみる。




         「む、俺の顔になんか付いとるんかの?」

         
         「いっ・・いいえ!」



         おまけにすっごく変な喋り方だし!!

         銀髪の時点でおかしいから!






         「名前はなんて言うんじゃ?」

 
         「は?」


         「名前じゃよ。名前。」





         おいおい。


         朝っぱらからナンパですかコノヤロウ!!



         なんて心で叫んでみたけど、その男が私の答えを待っているので仕方なしに名前を言った。




         「私は、 。」


         「ね・・・。って呼んでもええんか?」


         「(いきなし呼び捨てデスカ!?)・・・・う・・うん・・・別に構わないけど・・・。

          あなたは名前何?」


         「ん?俺は秘密ナリ。」









         なんじゃそら!!



         名前きいといてソレかよ!!頼みますよ!!





         「まぁ、その内分かるけぇ。」


         「・・・分かんないよ・・・・」


         「テニス部ってことくらい分かるじゃろ?」


         「え?・・・あ・・・はい・・まぁ。」




         名前も知らないその男は、自分のテニスラケットのバッグを指してそう言った。


         立海の制服・・・立海のテニス部ってすごく強いんだよね・・・?

         この人、レギュラーなのかな?




         「君・・立海だよね?」


         「見ての通り。」


         「部活、レギュラーなの?」


         「当ててみんしゃい。」


         「・・・当てるって・・・・・・・・・・・・・・。

          ・・・・・・・・じゃあ・・・・・補欠・・・・・?」




         二分の一の確立で答えてみる。



         「ハズレじゃよ。勘の悪い女やの。」

        
         「な!・・・・そんなの分かるわけないじゃない!」


         「プリッ」


         「(プリッ!?!?)」







         もう訳が分かんないよ・・・・・・・・


         何でこんな男に会っちゃったかなぁ・・・・・・・ふぅ・・・・・





         心の中でため息をついて、もう一度彼の横顔を見上げた。


         

         鼻高い・・・・・


         顔整ってる・・・・・・


         うわー・・・・髪の毛マジで銀銀だよ??



         髪の毛くくってる・・・・・・・なんか可愛らしいや・・・・




         名前も知らないのに。

         その男からいろんな感想が出てくる。






         「・・・・・・・・・・・」





         って・・・・この人寝てるし!








         あ・・・・・。汗かいてる・・・・・・・








         その男は汗をかいていた。

         時はまだ5月。

         汗かくのにはちょっと早い季節なのでは?

         そんな事を思った。




         (汗・・・・拭いてあげた方がいいよね・・・・・。)









         → ハンカチで拭いてあげようかな・・・・


         → 勝手に拭くなんてお節介!!私も寝よう。